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  • 精巣がん・精巣腫瘍

2013年10月 手術

準備期間を経て手術。無事成功も、術後は「一番しんどかった時期」

手術準備に1ヶ月。事前検査や手術説明などで多忙な日々

手術を受けるかどうかは、抗がん剤治療の成績を見てから決めることになりました。肝心の効果ですが、正直期待する程ではなく…3クール目、4クール目に入ってきて、これ以上やっても効果的ではないという話に。私も効果のでない治療にだんだん疲れてきていましたが、4クール目を終えて少し時間を置いた後に、手術を受ける流れになりました。

抗がん剤治療を終えて手術を受けるまでの期間は約1ヶ月程度。期間的には長かったものの、大きな手術だったので、その間はやることが多かったです。例えば手術前に12、3本の採血、PET-CTなどの検査を受けましたし、手術の説明に関しても、放射線科や麻酔科など各科から説明を受けました。ですから手術までの1ヶ月は準備期間という感じでしたね。

手術前はずっと入院していたかと言うと実はそうでもなく、抗がん剤が終わったタイミングで一度家に帰りました。この時は会社を休職していたので、特にやることもなくただ手術を待つだけという状態。抗がん剤の入院中も採血で数値がよくなれば外泊許可をもらえました。一度、外泊から帰ってきた時に発熱したため、個室に移されたことがあります。やはり免疫が下がっていますから。感染症に慎重に対応してくれる病院に感謝しつつ、反省もしました。

一番しんどかった時期。外出できないことがストレスに

今思い返してもこの時期が一番しんどかった気がします。体力だけでなく食欲も低下。出されたご飯はできるだけ食べ切るよう努力していましたが、少しづつ残すように。ずっと点滴につながれていて簡単に外出できなかったためストレスも溜まりました。体力面だけでなく精神面でもしんどさがでてきましたね。

この時期には有給休暇のストックも切れ、いよいよ傷病休暇に。詳しい勤怠状況などは、お見舞いのタイミングで上司に説明してもらっていました。他にも必要な書類を用意していただいたりと、上司には感謝しかないです。復帰後の働き方なども相談にのってくださったので、職場への不安はあまり感じませんでした。またお見舞いの前に「いつなら説明に行っても大丈夫ですか?」と都度こちらのスケジュールを確認してくれたことも気遣いを感じて嬉しかったです。

手術は順調。予定より早く終わった

手術の前段階の話ですが、食事が辛かったですね。例えば献立にエビチリと書いてあるのに、出てくるものはドロドロとした赤い色の何か…。もはや原型をとどめていないんです。正直に言うと食べたくなかった…。

でもそもそもなぜこのような食事だったかというと、全ては全身麻酔のためでした。最終的には下剤を飲んで胃の中身を空っぽにしなければいけないので、手術日に合わせて、食事が固形のものから徐々にミキサー食に。手術のためですから、なんとか頑張りました。

手術自体は順調だったらしく、予定より早く終わったそうです。具体的には、8時半に始まって、17時過ぎには病室に。意識が戻った時は病室のベッド上でした。ナースステーションの横のICUに10本ほどの管につながれて寝ていて、身動きができないようになっていましたね。

意識が戻った時にはナースステーション横の集中治療室(ICU)で10本ほどの管に繋がれていました。その時は、手の指は倍くらいの太さでしたし、声も出せないくらいに衰弱。全く起き上がれないと思いましたが、看護師に促されて何とかベッドサイドには立ちましたが、全身に長時間正座した時のような痺れを感じました。もちろん、直ぐに食べたり飲んだりは禁止です。水を飲む許可が出たのも手術2日後くらいでしたね。

手術直後は復帰できるか不安だったが、予定通りに退院。歩けることの嬉しさを感じた

術後の衰弱が激しかったので、手術直後は普段の生活に戻れるか不安でした。ですが10本ほど繋がれていた管も日を追うごとに徐々に外れていき、体の自由も少しずつ得られるように。入院生活の中で確実に体調が良くなっている実感がありました。記憶に残っているのは、歩けるようになった頃、看護師さんがすれ違う度に笑顔で励ましてくれたこと。ただ歩いていただけなんですけどね。でも今振り返っても、大げさに感じるくらい、看護師さんの励ましは嬉しかったです。

開腹した箇所の傷口は縫うのではなくレーザーで接着、チタン製のM字医療用ホチキスでとめてあり、最初はドレーン2か所にガーゼが10枚以上重なっていました。ですが廃液量が減るにつれ、ガーゼの枚数が減り、M字医療用ホチキスも間引くような感じで外れていきました。その後は特に合併症もなく、11月頭に退院。スケジュール通りに元の生活に戻っていきました。

手術から数年経った今でも、創部にはちょっと突っ張るような感じが残っています。とは言え一昔前に比べればほとんど気にならないレベルです。退院後は創部が気になって、お腹をかばうような動きをしていたので、それを思えばどうということはありません。

 

 

がんを経験された個人の方のお話をもとに構成しており、治療等の条件はすべての方に当てはまるわけではありません。​​​​

Hatch Healthcare K.K.

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