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2010年11月 一回目のがん告知

健康診断で判明したがんの可能性。単身赴任先の大阪から、治療のため家族が住む東京へ

きっかけは東京マラソン。念のために受診した健康診断で発覚

がん発覚のきっかけは、2011年の東京マラソンでした。当選が分かってすぐの2010年11月、念のため今の健康状態を調べておこうと健康診断を受診したんです。幸いにも知り合いが働く病院で受診できることになり、その病院へ。まさか自分ががんだなんて思ってもいませんでした。

様子がおかしいなと感じたのは腹部エコーのときでした。最初は笑っていた技師の方の顔が、みるみる暗くなっていったんです。「何かあったの?」と聞いたんですが、先生に聞いて下さいとだけ伝えられ、何も教えてくれませんでした。何となく嫌な予感はしていました。

検査を終えると先生から、

「心臓真下のリンパに腫瘤があります。一番可能性が高いのは、悪性リンパ腫。できるだけ早く血液内科を受診してください」

と言われました。どうやら私のリンパ節が肥大化し、かなりの大きさになっていたんです。診断を確定させるためにも一刻も早く血液内科に行かなければと焦りましたが、3日後に血液内科の予約が取れました。すぐに次の検査が決まったのはありがたかったです。

大阪に単身赴任。休日はアクティブに過ごす健康的な生活

がんが分かった頃、私は大阪で単身赴任中。東京の家族とは離れて暮らしていたものの、決して不摂生な生活だったわけではありません。ちゃんと自炊もしていましたし、もともとアウトドアが好きで、週末は東京マラソンに向け20キロ程度ランニングするなど、同世代に比べて健康志向だったと思います。旅行も好きで、京都と奈良の世界遺産はすべて行きました。リュックサックに水筒を入れて、朝から晩まで歩き回ることも多く、休みの日は外でアクティブに活動していました。

このような生活を送っていたので、身体に不調を感じることはほとんどありませんでした。一度だけマラソンをしているとき睾丸の痛みを感じたことがありましたが、数日でおさまったので深刻に考えもしませんでした。

血液内科を受診した結果、悪性の疑いあり

最初の検査から3日後、検診センターで紹介状を受け取り血液内科へ行きました。診断結果は、傍腹部大動脈リンパ腫。ただし悪性か良性かまでは分からず、11月末にCT検査で詳しく調べることに。CTの結果について、先生からは、「おそらく悪性リンパ腫です。診断確定するには試験開腹をして標本を取る必要があります」と伝えられました。

職場の上司には病院からすぐに連絡をしました。医師から告げられた内容をそのまま全て伝えると「会社ではなく治療を優先して欲しい」と言われ「家族のことを考えた場合、東京で治療した方がよいのでは?」ともアドバイスをもらいました。外科手術をした場合は入院と治療で合わせて3ヶ月程度は必要と聞いていたので、確かにこの治療期間を考えれば家族が住む東京の方が便利だろうなと。上司と話している段階で自分の中では東京での治療を決めましたね。

家族に伝えることには迷いがあったが、上司のアドバイスをもとに東京で治療をすることに

CT検査を終えた後、その日中に東京の自宅に帰りました。

実は途中まで妻と息子には内緒で手術をすることも考えていました。家族には心配をかけたくなかったんです。ただ血液内科を専門とする病院が案外少なかったこと、悪性リンパ腫の場合は入院期間が長期化すること、これらを考慮すれば流石にバレるだろうなと。そう思い、家族にはがんに罹患したと正直に伝えようと思いました。

妻と息子にはエコー検査の時点でがんの疑いがあると話していたせいか、悪性リンパ腫が疑われると伝えても、妻からは「次に病院行く時は付き添うわよ」と言われたくらい。そもそも疑いがあると伝えたときも「診断確定したら教えて」と終始あっさりとした対応で、息子も妻と同じような様子でした。

メンバーが100人。自分の病気を考える余裕はなかった

職場のメンバーには12月に入ってすぐ伝えました。朝礼時に、100人近いメンバーの前で「がんになりました」と。当時の私はコールセンターの課長職。入電率が下がらないよう陣頭指揮を取っていた手前、メンバーにきちんと長期の休みをもらう理由を説明する責任があると考えたのです。

がんを公表し療養に入るまでの一番の懸念は、残していく部下のこと。自分がいなくても部署は回るのか、部下の人事異動が希望通りに叶うのか。東京に行くまでは、メンバー全員の性格や声がけするときの注意点などを後任に残したり、クライアント先に新しい担当者を紹介したりと、引き継ぎ業務に注力しました。自分自身の病よりも、残していく部下のことが気掛かりだったんです。休みに入る前には、職場の同僚や上司から、治療に専念して欲しいといった温かい言葉を沢山いただき、本当にありがたかったですね。

東京の病院へ転院。血液内科から外科へ

転院先である東京の病院は、自宅から電車1本。利便性で選んだため、どこの病院にするかで悩んだ覚えは特になかったです。転院するにあたり、健康診断を受けた大阪の病院には転院先への紹介状を書いて貰いました。他にも病状や検査データなどを転院先に送信してくれたので、初診前から治療方針を事前検討する流れになったのはスムーズで良かったです。

東京の病院へは妻と一緒に行きました。その病院でも最初は血液内科へ。検査を終えると先生からは「悪性リンパ腫でほぼ間違いないだろう」と言われましたが、やはり開腹して病巣部を調べない限り診断確定はできないとのこと。血液内科では試験開腹ができないので、まずは手術ができる科への転科を勧められました。手術と言えば外科だろうなと思ったので外科でお願いしました。

 

 

がんを経験された個人の方のお話をもとに構成しており、治療等の条件はすべての方に当てはまるわけではありません。

 

Hatch Healthcare K.K.

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